あなたの顔がかゆいのは、人間の顔に生息する"顔ダニ"のせいかも知れません。 顔ダニは大人の顔に住み着いている常在菌であり、増えすぎると肌荒れやかゆみを引き起こします。 何となく聞いたことはあるけどよく知らない顔ダニについて、増える原因や症状の特徴を解説します。 顔ダニとは 顔ダニとは人間の顔に生息する常在菌の仲間であり、顔にある皮…
顔がかゆいと思ってみてみると、かゆい部分が赤くなっていたり少し腫れを伴っていたり見栄えもよくないため、赤みやかゆみは悩ましい肌トラブルです。
触ってはいけないとわかっていても、かゆみがあるため思わずかいてしまい悪化させてしまう人も多いのではないでしょうか?
なぜ、顔が赤く腫れてかゆい状態になってしまうのか、原因と対策方法を紹介します。
顔のかゆみや腫れの原因として考えられるもの
アレルギーや乾燥、食べ物やハウスダストなど一概にこれが原因と断定するのは難しく、かゆみ物質を放出するヒスタミンを活性化させてしまうことでかゆみは起きます。
アレルギーの場合は、金属や特定の食べ物などアレルゲンとなるものを避けることでかゆみを起こさないことができますが、アルコールやコーヒー、辛い食べ物は毛細血管を拡張する作用があるのでかゆみを引き起こしやすいとされています。
また、顔のかゆみの原因として多いのが乾燥です。肌は水分が保たれている状態であればバリア機能が正常に働きますが、乾燥した肌はバリア機能が低下してしまっているので、外部からの刺激を受けやすい状態になっています。
まとめると、顔のかゆみの主な原因は以下の4つです。
- アレルギー
- 乾燥
- 食べ物や飲み物
- アルコール
- ハウスダスト
さらに、かゆい部分をかくことでそれがまた刺激となり、体が刺激に免疫反応して皮膚の炎症を起こし、赤く腫れたかゆみとなって現れるのです。
かゆくても触っちゃいけないと言われるのは、触ると皮膚が刺激に反応してしまうためなんですね。触っても百害あって一利なし。
赤い腫れを伴うかゆみの原因
赤い腫れを伴うかゆみの原因は、多くの場合乾燥によるものです。
乾燥すると肌は表皮の保護機能が失われ、外部からの刺激を受けやすい状態になるため炎症を引き起こします。
冬は湿度が低いので肌が乾燥しやすく、特に乾燥肌の人や敏感肌の人はちょっとした刺激でもかゆみや肌荒れにつながってしまいます。
また、人は年齢を重ねるにつれて皮膚の厚みが少しずつですが薄くなっていっており、肌の保湿機能やバリア機能が加齢と共に失われていきますので、とにかく保湿に気を付けることが改善の近道となります。
洗顔のしすぎや、過剰なスキンケアも赤みやかゆみを引き起こす原因となります。顔の皮膚は薄くデリケートなので、何度もこすったり触れることでバリア機能を逆に低下させてしまうためです。
乾燥は赤ら顔や肌のかゆみにつながる
皮脂欠乏性湿疹と呼ばれる、乾燥による皮膚疾患によってかゆみを伴う湿疹ができることがあります。
皮膚の表層には皮脂膜がり、その下に角質層があります。角質層は水分を保持しており肌の潤いを保っているのですが、肌が乾燥するとこの角質層の水分が失われていきひび割れなどの症状を起こします。
この状態のことを「乾皮症」と呼ぶのですが、これがさらに進行すると皮脂欠乏性湿疹となり赤みを伴ったかゆみとして現れます。
また、湿疹ができている状態ではさらに乾燥が進みやすくなっているため、保湿を徹底するなどしてきちんとスキンケアをしないと中々治らず酷くなってしまうこともあります。
皮膚炎などの病気による赤みとかゆみ
皮膚炎によって発症する、赤みを伴う顔のかゆみの原因は以下の3つです。
- 脂漏性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 接触皮膚炎
脂漏性皮膚炎
汗をかきやすい場所が赤くなったり、湿疹ができてかゆくなったりすることがあります。これを脂漏性皮膚炎と言い、汗を餌に繁殖するマラセチア菌という常在菌が原因で起こる炎症です。汗をかきやすい場所、溜まりやすい場所にできるので、額やTゾーン、鼻などにできやすい皮膚炎とされています。
アトピー性皮膚炎
アトピー体質を持っている人が発症します。その原因はハウスダストやダニ、猫や犬などの動物の毛、カビなどによってアレルギー反応を起こし、激しいかゆみを引き起こします。
アトピー性皮膚炎は乳幼児に多いものとされていましたが、大人でも乾燥肌の人は特に後天的にかかると言われています。
アトピー性皮膚炎を患っている人の肌はバリア機能がとても低下している状態なので、かゆみが生じやすいのです。
かゆみが軽度の場合は保湿を徹底することで改善が望めますが、炎症が酷いとステロイド剤などの外用薬での治療が必要になります。
接触皮膚炎
聞きなれた言葉でいうところの「かぶれ」です。
ネックレスや腕時計などの金属類が肌に触れることで発症する場合や、衣類などが刺激になって赤くかぶれてしまいます。
よくあるケースとしては、シャンプーやコンディショナーが肌に合っていなかったり、洗い残しによってかゆみを伴う湿疹が出てしまうことがあります。
皮膚のアレルギー反応で湿疹が出ている
3つの皮膚炎のうち、アトピー性皮膚炎と接触皮膚炎はどちらもアレルギー反応が共通した原因です。
湿疹の多くは、何か外的な要因で生じることが多いので、自身の身の回りで関係していると感じるものは遠ざけた方がよいでしょう。
スキンケア用品、シャンプーやコンディショナー、化粧水や美容液、衣類の素材、身に付けているアクセサリー、飼っている動物など、どれかが原因になってかゆみを引き起こしている可能性は高いです。
【皮膚のアレルギー反応を起こしやすいもの】
- スキンケア用品
- シャンプーやコンディショナー
- 化粧水や美容液
- 衣類の素材
- 金属のアクセサリー
- 動物の毛
心当たりのあるものは、低刺激のものに変えてみるなど、なるべく肌を乾燥させない環境づくりが必要かも知れません。
顔ダニがアレルギーの原因となっている可能性
人間の顔には実はダニが生息しており、肌の皮脂を食べる役割を持っています。これを「顔ダニ」と言います。
顔ダニは生まれたばかりの赤ちゃん以外はすべての人間の肌にいるものなので、あなたの顔にも顔ダニはいると考えてよいでしょう。
顔ダニは増えすぎると肌トラブルの原因になります。その理由は、増えすぎた顔ダニの死骸や老廃物が毛穴を塞いでしまったり、皮脂を過剰に食べてしまうことで皮膚が乾燥しやすくなるためです。
顔ダニの死骸や老廃物がアレルギーとなって、かゆくなったり赤くなったりするので、化粧を落とさず寝てしまったり肌を清潔にしてない人は顔ダニが原因となっている可能性があります。
対策方法はシンプルに肌を清潔に保つことです。
きちんと洗顔をし、肌の汚れや皮脂を洗い流してあげましょう。洗いすぎは前途の通りよくないのですが、朝晩と2回洗顔料を使って洗顔しても洗いすぎにはなりません。
顔が赤くてかゆいときの対処方法
これまで様々な原因を紹介しましたが、顔が赤く腫れてかゆくなってしまったときは”まず保湿”を徹底しましょう。
乾燥によって肌のバリア機能が低下しているために、あらゆるものが刺激なってかぶれている可能性があるので、保湿をこまめに行うことで肌を外的要因から守る必要があります。
顔の一部が赤くなったり、かゆみを伴う腫れが生じた場合は絶対に触ってはいけません。触ったりかいたりしたい気持ちをグッと抑えて、とにかく化粧水や乳液で保湿を行いましょう。
続いて大事なのは洗顔です。正しく洗顔できていないと、洗いすぎによる肌の乾燥を招いてしまいます。洗顔料は直接肌につけず、必ず泡をたくさんたてて顔に載せ、30秒ほどを目安に泡で肌を撫でてあげましょう。そのとき手のひらが肌に直接触れない様に気をつけ、優しく洗顔します。
洗顔が終わったらすぐに化粧水をたっぷり塗って保湿します。顔はとても早く水分を失ってしまいますので、洗顔後に時間をおかずに保湿することを心がけましょう。
保湿も含めて、顔がかゆくなった時の対処法は以下の5つです。
- 化粧水や乳液で保湿する
- 患部を冷やす
- 辛い食べ物を避ける
- カフェイン入りの飲み物やアルコールを避ける
- かゆみ止め効果のある外用薬を少量だけ塗る
すぐに病院に行けないという場合の暫定的な対処法ですので、上記のどれでもいいので試してみて下さい。
皮膚の炎症を抑えるのに効果的な薬
皮膚炎の治療に使われる薬として最も有名なのは”ステロイド剤”です。ステロイドとは副腎から作られる副腎皮質ホルモンです。
皮膚の炎症を抑えてくれる効果があり、症状の度合いにもよりますが、塗ってすぐにかゆみは収まり、翌朝には腫れや赤みが引くが多いほど皮膚炎への効果はてきめんです。
しかし「ステロイドといえば副作用」と考えている人が多いくらい、使い方を間違えると反対に肌トラブルを引き起こします。
ステロイドは皮膚科で処方してもらえるものと、ドラッグストアなど市販で買えるものがあります。
皮膚科で処方してもらえるステロイド
炎症の度合いによって、ステロイドの強さが1群(ストロンゲスト)から5群(ウィーク)まであり、1群に近づくほど強力な薬になります。
ステロイドの強さを把握することは実はかなり重要です!強いと逆に肌荒れを起こしてしまう可能性が高いからです。
皮膚科で処方されるステロイドの例
- アンテベート(4群:ベリーストロング)
- リドメックス(2群:ミディアム)
- ロコイド(2群:ミディアム)
ドラッグストアなど市販で買えるステロイド
「かゆみをどうにかしたいけど、すぐには病院に行けない」という人も多いと思います。そんな時はお近くのドラッグストアで市販のステロイドを買うことができます。
市販の薬でも十分、炎症を抑える効果があるので著者も必ず一つは常備しています。
しかし、薬の取り扱いには十分に注意した方がよく、過剰に塗ってしまったり肌に合わなかったりする場合もあるので、可能であれば皮膚科で診察を受けた後、適切なステロイドを処方してもらった方が無難でしょう。
市販で買えるおすすめのステロイド
フルコートf
赤くかゆいところに塗ると、数分でかゆみを抑えてくれます。赤みや腫れも30分~1時間ほどで収まるので患部が気にならなくなります。
べたつくので塗り過ぎない様に注意し、なるべく頻繁には使用しないようにしましょう(塗りすぎると耐性ができて効果が薄まるため)。
ステロイドなど薬による副作用に注意
ステロイドはすぐに効果が出ますし、皮膚科で処方してもらっても市販で購入しても安価に手に入れることができます。
しかしステロイドへの頼りすぎはあまりよくありません。副作用が出てしまうケースが少なくないこと、手軽にかゆみを改善してくれるため中毒になってしまうことが理由です。
特に副作用に関しては、ステロイドは皮膚を薄くすると言われているため肌のバリア機能を低下させてしまう恐れがあります。
バリア機能が低下すると乾燥しやすくなったり、ニキビを発症してしまうリスクがあるのです。赤みやかゆみが治っても、代わりにニキビができてしまってはよくありませんからね。
またステロイドは毛細血管を拡張する作用があるので、使いすぎは赤ら顔の原因になってしまうことがあります。
赤みやかゆみの治療に便利なステロイドですが、用法用量をきちんと守って使用しましょう。
ですが、基本は徹底した保湿です。
著者は腫れを伴う赤いかゆみに悩まされ、長年ステロイドを愛用していましたが、最終的にはステロイドの使用をぱたっと止め、徹底的に保湿した結果かゆみに悩まされなくなった経験があります。
ステロイドとの長きにわたる戦いはこちら。
【体験談】6年間悩まされた顔の湿疹を治した、驚くべきたった1つの方法
「かゆくなったらとにかく保湿!」を念頭に置いておきましょう。
かゆみを伴わない赤みやかぶれについて
かゆみを伴わない場合は、赤ら顔と呼ばれる症状の可能性が高いです。
赤ら顔になってしまう原因は大きく分けて2つあり、皮膚の下の毛細血管が透けて見えているケースと、皮膚そのものが赤くなっているケースがあります。
今回紹介した皮膚炎とは対策方法が異なりますので、かゆみを伴わない場合は赤ら顔の改善方法を検討しましょう。